【8月28日 AFP】ニューランドの乳製品大手フォンテラ(Fonterra)の乳製品がボツリヌス菌に汚染されているとして世界中で回収(リコール)が相次いだ問題で、ニュージーランド当局は28日、ボツリヌス菌による汚染は誤報だったと発表し、公衆衛生に対する脅威はまったく存在しなかったと述べた。

 8月上旬に起きたフォンテラ社製乳製品の汚染騒動により、中国からサウジアラビアまで多くの国では店頭から同社の粉ミルクが姿を消し、アジアの主要市場におけるニュージーランド製品の「清潔で地球に優しい」という評価は傷付けられた。

 しかしニュージーランド第1次産業省は、回収を発表した後にさまざまな試験を行った結果、見つかった菌が当初発表された致死率の高いボツリヌス菌(クロストリジウム・ボツリヌス)ではなく、「クロストリジウム・スポロゲネス」であることを確認したと発表した。同省の声明によれば、クロストリジウム・スポロゲネスからは有毒物質は生じず、通常の腐敗以外、この菌が食の安全を脅かす問題はこれまで一切報告されていないという。

 ボツリヌス菌汚染という誤った結果が出た当初の試験はフォンテラが行ったものだったが、第1次産業省が同社に195種類の追加試験を命じたところ、陽性反応は全く示されなかった。

 同省はすでに各国の規制当局に試験結果を通知するとともに、フォンテラ製品に関するボツリヌス菌汚染への注意を撤回した。(c)AFP