【6月17日 AFP】南太平洋のパプアニューギニアで、父親から性的暴行を受けた女性が、父親の首を山刀で切断して殺害したと、地元紙ポストクーリエ(Post-Courier)が17日、報じた。事件が起きた村の指導者は、「父親は死んで当然」として娘を保護している。

 事件が起きたのは13日夜、パプアニューギニア西ハイランド(Western Highlands)州の村で娘(18)が父親から繰り返し性的暴行を受けたあと、父親の首を山刀で斬り落として殺害した。

 ポストクーリエ紙が地元宗教指導者の話として伝えたところによると、この父親は40代半ばで、他に子どもが3人いる。父親は家で娘と2人きりになった隙を狙って娘に暴行を加えたとされ、夜が明けてから再び暴行に及ぼうとした際、娘に殺害されたという。その後、娘は自ら村の住民らに事件について明らかにし、経緯を説明した。

  村の指導者は「娘は心に傷を負い、父親の邪悪な行為に対応したまでだ。よってわれわれは、今までどおり彼女を村にとどめることにした」と述べ、少女の身柄を警察に引き渡すことを拒否。断固として少女を守る決意を示しているという。

  パプアニューギニアでは魔術に絡んだ事件とともに、暴力事件も後を絶たない。こうした状況を背景にパプアニューギニア政府は前月、死刑復活を含む現行法の改正案を閣議決定している。(c)AFP