【6月17日 AFP】ナイジェリア沖で前月末に起きたタグボートの沈没事故で、行方不明だった乗組員が3日間、沈没した船内で生き延び救助されていたことが14日までに、救助関係者や家族の話から明らかになった。

 事故は前月26日、シェブロンの石油基地があるナイジェリア南部エスクラボス(Escravos)沖で米石油大手シェブロン(Chevron)が委託するタグボートが荒波で転覆、沈没したもので、乗組員12人のうち10人は遺体で発見され2人が行方不明となっていた。

 タグボートは逆さになった状態で深さ30メートルの海底に沈んだが、不明者のうちナイジェリア人料理士のオケネ・ハリソン(Okene Harrison)さん(29)は、逆さになったタグボート内で浸水せずに空気が残っていた船室に身を潜り込ませ救助を待っていた。

 ハリソンさんの救助活動にあたった海洋エネルギー企業向けサービスDCNによると、事故発生の直後、ヘリコプターや船舶が現場海域に急行。ハリソンさんを救出したDCNのダイバーは、現場から船で17時間ほど離れた場所でのプロジェクトに参加していが、ハリソンさんの救助に向かうよう指示された。ダイバーは沈没したタグボートで無傷で残っていた船室内に閉じ込められていたハリソンさんを発見。ハリソンさんは事故から62時間後、救援ダイバーによって無事、海面上に引き上げられた。

 AFPの電話取材に応じたハリソンさんの親戚によると、ハリソンさんの体調は良好だが、ショックを受けており休養が必要だという。(c)AFP