【5月8日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)市で誘拐され、同市内の住宅に10年以上にわたって監禁されていた女性3人の救出に一役買ったレストランの皿洗い係、チャールズ・ラムジー(Charles Ramsey)さんが、被害者が保護された翌日の7日、インターネット上で多くの人たちから称賛を浴びている。

 ラムジーさんが報道陣に対し、監禁されていたアマンダ・ベリー(Amanda Berry)さんらを助け出した時の様子を話す映像は、米動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)で瞬く間に広まり、ベリーさんと同じ家にいたジョージーナ・デヘスース(Georgina DeJesus)さんとミシェル・ナイト(Michele Knight)さんの保護にもつながったラムジーさんの「放送には不向きな」警察への通報の音声も、多くの人たちによって繰り返し再生されている。

 ラムジーさんは、事件現場となったシーモア・アベニュー(Seymour Avenue)2207番地のごく普通の2階建ての住宅の外で米ABCニュース(ABC News)の系列局、WEWSテレビのインタビューに応え、こう語った。

「おう、何かがおかしいと思ったんだよ。小柄でカワイイ白人の女の子が黒人男の腕の中に倒れ込んできたんだぜ」

 この日のツイッター(Twitter)上では1日中、米国の大学生を前に講演したチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世や、選挙の遊説中に負傷したパキスタンの元クリケット選手で政治家のイムラン・カーン(Imran Khan)氏と並んで、ラムジーさんの名前が繰り返しツイートされた。

 ファストフードの世界的大手マクドナルド(McDonald's)のツイッターアカウントは、「よくやった、チャールズ・ラムジー!あとで連絡するよ」とコメント。ラムジーさんは、通りの向こう側から聞こえるベリーさんの叫び声に気付いたとき、ビッグマックを食べていたと話していた。

 また、ラムジーさんが働く人気レストラン、「ホッジズ・クリーブランド(Hodge's Cleveland)」の共同経営者でもあるクリス・ホジソン(Chris Hodgson)氏はフェイスブック(Facebook)の公式ページで、一夜にして有名人になった「皿洗い技術者」のラムジーさんに敬意を表した。

「(被害者の)若い女性たちに背を向けなかった当店の従業員、チャールズ・ラムジーを非常に誇りに思う。クリーブランドの真のヒーローだ」。

 レストランの常連客たちは、時給を上げてやってくれと訴えているという。(c)AFP