【4月30日 AFP】チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は29日、訪米中の小野寺五典(Itsunori Onodera)防衛相との会談後に共同記者会見を行い、尖閣諸島は日米安全保障条約の「適用範囲内」にあるという見解を示した。

 ヘーゲル長官は尖閣諸島の最終的な領有権について米国は特定の立場を取らないとしたうえで、尖閣諸島は「日本の施政権下にあり、よって日米安全保障条約の適用範囲内にあると認識している」と述べた。

 また尖閣諸島をめぐる日中の摩擦は地域の安全を脅かす大きな問題であり、「当事国の間で平和的かつ協力的に解決されるべきだ」と強調するとともに、米国は「日本の施政権の弱体化を狙った一方的、威圧的な行為、また緊張激化や地域全体の安定を脅かす過ちにつながりかねないあらゆる行為に反対する」と述べ、中国をけん制した。

 一方、北朝鮮問題については、「(北朝鮮の)挑発的な行動が、東アジアの安定にとって最も明白な脅威だ」と述べ、今後も北朝鮮の挑発的行為を監視し、ミサイル防衛をはじめとして日米が協力していくことで小野寺防衛相と一致したと語り、その一環としてミサイル追跡能力を持つ、日本で2基目となるTPY-2レーダーの追加配備計画が進められていると述べた。

 またヘーゲル国防長官は、日本国内で2つ目となる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(Osprey)の部隊を今年の夏に配備することも確認した。(c)AFP