地球の核は摂氏6000度、定説より1000度熱かった 欧州研究
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【4月26日 AFP】地球の核(コア)の温度は、従来の推計値より1000度近く高いことが新しい研究室実験で示されたと、欧州の研究チームが25日、米科学誌「サイエンス(Science)」に発表した。
ただし、鉄を主成分とする核がこれまでより「熱くなった」わけではなく、新技術によって以前の温度計算方法にあった欠陥が正されたためという。
フランスにある欧州シンクロトロン放射光施設(European Synchrotron Radiation Facility、ESRF)の専門家らは、シンクロトロン(円形加速器)から発せられる強力なX線ビームを使って地球のモデルを調査する手法を開発。X線の「回折」現象から核の固体、流体、部分的な溶解状態を推測し、極度の高温と高圧によって固化している地球の中心付近(内核)を分析した。
この新技術によって導き出された内核の温度は6000度で、1993年にドイツの研究チームが行った実験で得られた推計よりも約1000度高かった。
内核の周りで同じく鉄を主成分とする外核は、内核より温度が低く、約4000度の流体だとされている。
ESRFのMohamed Mezouar氏によると、新技術では1秒程度で地球の内部の状態を調査でき、このため温度と圧力を一定に保ちつつ化学反応を回避できるという。ドイツのラインハルト・ボーラー(Reinhard Boehler)氏が用いた光学技術より優れていると考えられている。
ESRFの研究チームはまた、今回の推計によって「地球に磁場が存在するのは、地球の核とその外側のマントル部分に少なくとも1500度の温度差があるためだとする地球物理学的モデルが裏付けられた」と指摘している。(c)AFP
ただし、鉄を主成分とする核がこれまでより「熱くなった」わけではなく、新技術によって以前の温度計算方法にあった欠陥が正されたためという。
フランスにある欧州シンクロトロン放射光施設(European Synchrotron Radiation Facility、ESRF)の専門家らは、シンクロトロン(円形加速器)から発せられる強力なX線ビームを使って地球のモデルを調査する手法を開発。X線の「回折」現象から核の固体、流体、部分的な溶解状態を推測し、極度の高温と高圧によって固化している地球の中心付近(内核)を分析した。
この新技術によって導き出された内核の温度は6000度で、1993年にドイツの研究チームが行った実験で得られた推計よりも約1000度高かった。
内核の周りで同じく鉄を主成分とする外核は、内核より温度が低く、約4000度の流体だとされている。
ESRFのMohamed Mezouar氏によると、新技術では1秒程度で地球の内部の状態を調査でき、このため温度と圧力を一定に保ちつつ化学反応を回避できるという。ドイツのラインハルト・ボーラー(Reinhard Boehler)氏が用いた光学技術より優れていると考えられている。
ESRFの研究チームはまた、今回の推計によって「地球に磁場が存在するのは、地球の核とその外側のマントル部分に少なくとも1500度の温度差があるためだとする地球物理学的モデルが裏付けられた」と指摘している。(c)AFP