【12月11日 AFP】チベット亡命政府と中国政府が互いに激しく批判している中、16歳のチベット人女子生徒が焼身自殺したと中国国営新華社(Xinhua)通信が10日伝えた。

 女子生徒は中国北西部、青海(Qinghai)省のチベット人が多く住むDageriという村で9日午後7時(日本時間同日午後8時)の少し前に自らに火を放ったという。新華社によると女子生徒の遺体は4時間後に火葬され、遺族に返された。また地元当局が経緯を調べているという。

 人権団体によると、中国のチベット支配に抗議して焼身自殺を図ったチベット人は2009年以降だけで90人を超え、その多くは死亡している。英ロンドン(London)に本部を置くNGO「自由チベット(Free Tibet)」が把握している限り、今回死亡した女子生徒は最年少の年代に入る。

 また新華社は9日、チベット僧とそのおいが8人のチベット人に焼身自殺を唆した疑いで拘束されたと報じた。警察の「捜査と自白」で、このチベット僧はチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ(Dalai Lama)14世から指示を受けていたことが分かったと新華社は報じている。

 これに対し、インド北部のダラムサラ(Dharamshala)にあるチベット亡命政府は、ダラムサラに調査団を派遣してチベット僧の容疑を証明するよう中国政府に要求している。

 中国のチベット支配に対する抵抗運動が失敗に終わり、1959年にチベットを出たダライ・ラマは、それ以来ダラムサラを拠点にしている。チベット亡命政府は、現在は国外メディアの出入りが禁止されているチベットを開放することも中国政府に求めている。(c)AFP