【10月9日 AFP】英国のため命がけの任務にあたる映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンド(James Bond)――しかし、スクリーンの中で共にこの任務を遂行した2人の英俳優、ロジャー・ムーア(Roger Moore)氏(84)とショーン・コネリー(Sean Connery)氏(82)は、スコットランドの独立問題をめぐって異なる見解を持っていると、8日付の英紙タイムズ(Times)が報じた。

 スコットランド行政府のアレックス・サモンド(Alex Salmond)首相は英国からのスコットランド分離独立を掲げ、その是非を問う国民投票を2014年末に計画している。スコットランド出身のコネリー氏は、サモンド首相率いるスコットランド民族党(Scottish National PartySNP)の熱心な支持者だ。

 一方、ムーア氏はしばしば典型的なイングランド人と形容される。

 そのムーア氏はこのほど、中部チェルトナム(Cheltenham)で開かれたタイムズ主催の文学フェスティバルで、「この先もスコットランドは英国の一部として残るだろう。いくらショーン・コネリーが独立を望んでもね」と語った。

 自身は真のイングランド人かとの問いには「もちろん。私はイングランド人であることに大きな誇りを持っている」とコメント。続けて、「幼い頃からわれわれ(イングランド人)こそ最も優れていると教えられてきたからね。ただ、これはちょっと正確ではない。私は英国人であることを誇りに思っている。私がイングランドと言うとき、それは英国を意味しているんだ」と付け加えた。

 ムーア氏はまた、かつてスコットランド独立についてコネリー氏をからかったことがあるとも明かした。「彼(コネリー氏)に、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)が倒産したのは君の責任だね、預金を全部現金で引き出したんだろう?と言ったんだ」

 初代ボンド役のコネリー氏は1962年~71年に6回、3代目のムーア氏は1973年~85年に7回、それぞれジェームズ・ボンドを演じている。(c)AFP