【9月26日 AFP】米カリフォルニア(California)州のジェリー・ブラウン(Jerry Brown)知事は25日、運転手を必要としない自律走行車が公道を走行することを認める法案に署名した。

 法案は、自律走行車がテスト目的で州内の公道を走行することを認めるもの。ただし、不測の事態に対応できるよう運転席にドライバーが座っていることが条件となる。

 同州マウンテンビュー(Mountain View)の米グーグル(Google)本社で行われた署名式典でブラウン知事は、「この法律はカリフォルニアのエンジニアたちが、走行試験を安全に実施して驚くべき新技術を導入することを可能とするものだ」と述べ、「自律走行車は、今日のSFの話を明日の現実に変える最新技術をカリフォルニアが主導する新たな事例となるだろう」と語った。

 グーグルの自律走行車は、同社の共同創設者セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏が率いる開発チームが手掛けた。このチームはほかにも、現実世界とインターネットを融合させるメガネ型IT機器「グーグル・グラス(Google Glass)」など、空想性と先見性に富んだ技術開発に取り組んでいる。署名に先立ち、ブラウン知事はブリン氏らとともにグーグルの自律走行車に試乗した。

 グーグルの自律走行車開発では、一足先にネバダ(Nevada)州が今年5月、公道での走行試験のためにトヨタ自動車(Toyota Motor)のプリウス(Prius)を基にした自律走行車にナンバープレートを発行している。ネバダ州陸運局(Nevada Department of Motor Vehicles)は、米国での自律走行車へのナンバープレート発行は全米初だとしている。

 ブラウン知事の法案署名を受け、カリフォルニア州陸運局(California Department of Motor Vehicles)も自律走行車へのナンバープレートの発行を始める。

 ブリン氏によると、グーグルの自律走行車の走行距離は48万キロを超えたが、このうち約8万キロは運転席で待機するドライバーの補助を必要としない完全な自律走行だったという。ブリン氏は、年内には自律走行試験に携わる従業員を増やし、今後5年をめどに何らかの形で一般の人が利用できるようにしたいと話した。(c)AFP/Glenn Chapman