トンガ沖で船の残骸見つかる、財宝とともに沈んだ船の可能性
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【8月10日 AFP】南太平洋の島国トンガで見つかった船の残骸が、19世紀に大量の財宝を積んで沈んだと言い伝えられてきた英私掠船の可能性が高まったと、同国の高官が9日、発表した。
トンガ観光省によると、1806年にトンガに寄港した英国の私掠船ポルトープランス(Port-au-Prince)号は、当時のトンガ王、ウルカララ2世(Ulukalala II)の命を受けた地元の兵士に攻撃され、乗組員のほとんどが殺害された。ウルカララ2世は、鉄器や大砲を持ち出させた後、財宝は残したまま船を沈没させるよう命じたという。
ポルトープランス号はフランスで建造された船だが、英国によって拿捕され、当時の敵国スペインやフランスの船の積荷を略奪する許可を得ていた。
以降、ポルトープランス号の行方は分からないままだったが、前月になってハアパイ(Ha'apai)諸島沖で地元のダイバーが船の残骸を発見。その特徴がポルトープランス号と酷似しているという。ポルトープランス号と確認されれば、財宝も手付かずで残っているはずだと、観光省はみている。
ポルトープランス号とみられる船を発見したダイバーの1人でリゾート地のオーナーのダレン・ライス(Darren Rice)さんによれば、現場は現在、波が荒く、調査の続行は11~12月ごろまで難しいという。ライスさんは、「あの時代にハアパイ沖で消息を絶った船は1隻だけ。見つかった船がポルトープランス号でないはずがない」と期待に胸をふくらませている。(c)AFP/Neil Sands