【7月20日 AFP】フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain)に加入したズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)の破格の高年俸が、フランスの政治家たちの非難の的となっている。

 イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)からPSGに移籍したイブラヒモビッチは、18日にパリ(Paris)のエッフェル塔(Eiffel Tower)で開催されたお披露目会で数百人のファンから「イブラ!」と連呼され、歓迎の声援を浴びていた。

 報道によると、イブラヒモビッチはフランスリーグ史上最高額の1400万ユーロ(約13億5000万円)で契約を交わしたとされている。

■カユザック予算担当大臣「イブラヒモビッチの高額年俸は下品だ」

 しかし、フランスは国内の景気回復と雇用対策に苦しんでおり、政権与党のフランス社会党(Socialist Party)の政治家たちは、イブラヒモビッチの高額年俸に対し、非難の声を上げている。

 フランスでは1000万ユーロを上回る年間所得に対して75パーセントの税金を課しており、フランス社会党はイブラヒモビッチの高額年俸がこの税率の適用から逃れることはできないと主張している。

 ジェローム・カユザック(Jerome Cahuzac)予算担当大臣は、仏民放ラジオ「ヨーロッパ1(Europe 1)」に対し、「世界中が直面している経済危機を乗り越える努力を重ねているこの時期に、あの額は驚きというよりは下品だ」と語った。

 また、ヴァレリー・フルネイロン(Valerie Fourneyron)スポーツ担当大臣も「天文学的かつ不適切な金額」としてイブラヒモビッチの年俸を批判し、政府報道官は「ショッキングな数字」だとして、同選手が75パーセントの税金を逃れるすべはないと主張している。