【7月17日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は16日、米カリフォルニア(California)州に本社を置く製薬会社ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)が開発した抗レトロウイルス薬「ツルバダ(Truvada)」を、エイズウイルス(HIV)への感染を予防する薬として世界で初めて承認した。

 ツルバダは2004年にHIV感染者用の治療薬として承認を受けているが、健康な成人向けの暴露前感染予防薬(PrEP)としても今回新たに承認された。

 男性同性愛者や異性愛カップルを対象にした臨床試験でツルバダがHIV感染のリスクを軽減することが示されたことを受け、FDAの諮問委員会が5月にHIV感染予防約として承認するよう勧告していた。

■HIV予防策の1つとしての使用を勧告

 エイズ専門家の中にはHIVに対する強力な対抗手段になると歓迎する人がいる一方、医療従事者からは予防薬の登場により感染リスクの高い性行為が増えるのではないかと懸念する声も上がっている。

 また、この薬を服用するには年間1万4000ドル(約110万円)の費用が掛かると推定されており、多くの人には手が届かないとみられている。

 FDAはセーフセックス、リスク軽減のカウンセリング、定期的なHIV検査といった他の予防法を含む包括的なHIV予防策の一部としてツルバダを使用すべきだと勧告している。(c)AFP/Kerry Sheridan