【7月13日 AFP】中国南部の柳州(Liuzhou)市内を流れる川で凶暴なピラニアが繁殖し、市当局が「懸賞金」を掛けて住民に捕獲を呼び掛けているという。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が12日に伝えた。

 同紙によると、ピラニアが繁殖しているとされるのは市内を流れる柳江(Liujiang)。川で飼い犬を洗っていた男性が魚に噛まれ、捕まえて調べたところピラニアだったという。この男性は他にも2匹が泳いでいるのを見たと証言しており、市当局は10日、「生死にかかわらず」との条件でピラニアに懸賞金を掛け、川での遊泳も禁止した。

 ピラニアは観賞用に密輸されたとみられる。

 懸賞金が1000元(約1万2000円)と地元住民にとって大金だったため、川岸には既に多くの人が釣竿を持って並んでいるという。当局も豚肉などの釣り餌を無料で配布し、禁止していた漁網の使用も特例として一部流域で解禁した。

 地元住民の1人はチャイナ・デーリーにこう話している。「10日に友人が何人か釣りに出かけた。だってピラニアを3匹釣れば、月収と同額が稼げるんだ。行かずにはいられないよ」

 しかし今のところ、ピラニアはまだ1匹も捕まっていない。

 南米産のピラニアは、中国をはじめアジア諸国では天敵がおらず爆発的に繁殖する恐れがあるため、観賞用の輸入を禁じているところが多い。フィリピンでは前年12月、ピラニアを販売した容疑で5人が逮捕されている。(c)AFP