【7月13日 AFP】仏パリ(Paris)の米国大使館前で12日、同国でフォアグラ用に飼育されるカモをフォアグラの生産・販売が禁止された米カリフォルニア(California)州に「亡命」させるよう求めるデモが行われた。

 フォアグラは脂肪分が多い鳥の肝臓で、カモやガチョウに餌を強制的に食べさせて作る。フランス南西部の特産品で、高価だがクリスマスや新年などの祭事には欠かせない食材だ。

 動物保護団体「L214」が行ったこのデモには、カモの着ぐるみを着たメンバーなど6人が集まり、カリフォルニア州で長年にわたる論争を経て今月1日に施行されたフォアグラ禁止法への支持を口々に叫んだ。

 着ぐるみを着たメンバーは、グループを代表して次のように語った。「カリフォルニアには『ブラボー』、フランスには『恥を知れ』と言いたい。そして命を救われたカモたちに代わって感謝したい」

 また2009年にフランスで行われた世論調査で63.2%がフォアグラ生産の強制給餌は「有害だ」と答え、43.9%がその禁止に賛成したことに言及し、「フランスでも多くの人が強制給餌に反対しているということを示したい」と述べた。

 フランスのフォアグラ生産者は強制給餌に残酷性は無く、禁止を求める運動は誤った認識に基づいたものだと反論している。生産者らはカモの口にじょうごを挿入して強制的に餌を与える方法は自然界で鳥が「渡り」を行う前に栄養をため込む習性をまねたもので、食肉処理される直前の数十日間にのみ行われることを強調している。(c)AFP