【3月9日 AFP】約1億3000万年前の森林に生息していた小型のカラスほどの大きさの肉食恐竜「ミクロラプトル(Microraptor)」の羽毛の色は黒色で、光を反射して玉虫色に輝いていた――。米中の研究チームが9日、米科学誌サイエンス(Science)で発表した。この輝く羽毛は現在の鳥類と同じく、異性へのアピールに用いられていたと考えられるという。

 今回、研究チームは2010年に中国北東部で見つかった化石を電子顕微鏡で分析。残された羽毛を観察し、含まれるメラニン色素を現代の鳥類と比較した結果、ミクロラプトルの羽毛は青みがかった黒色だったことを突き止めた。研究に参加した米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)のジュリア・クラーク(Julia Clarke)准教授(古生物学)は、「玉虫色(の羽毛)が恐竜で確認された最古の証拠」だと述べている。

 また、ミクロラプトルは翼状の四肢と、先端に羽毛がついた長い尾を持ち、現代の鳥類のように空を飛ぶのではなく、木々の枝から枝へ滑空していた可能性が高いことも明らかになった。クラーク准教授らは、長い尾の役割は「まだよく分かっていない」としつつ、仲間への合図や、誇示、着地時にバランスを取る目的などに使われていたのではないかと推測している。

 ミクロラプトルは2003年に初めて新種の恐竜として認められた。今回の研究で、鳥類がどのようにして飛ぶ能力を獲得していったかについて新たな手がかりが得られたほか、玉虫色の羽毛を持つ夜行性の鳥類は現存しないことから、ミクロラプトルは夜行性だったというこれまでの仮説は覆されることとなった。(c)AFP

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