【1月9日 AFP】アフリカ南部のザンベジ(Zambezi)川で12月31日、バンジージャンプに挑戦したオーストラリア人女性観光客のロープが切れ、足を縛られたまま頭から川に落ちる事故があった。奇跡的に一命をとりとめたこの女性が9日、豪テレビ、チャンネル・ナイン(Channel Nine)のインタビューに恐怖の体験を語った。

 アフリカ旅行中だった豪パース(Perth)出身のエリン・ラングワージー(Erin Langworthy)さん(22)は、ザンビア・ジンバブエ国境のビクトリアの滝橋(Victoria Falls Bridge)で、高さ111メートルからバンジージャンプに挑戦した。ところが、ジャンプ途中でロープが切れてしまった。ラングワージーさんが足を縛られたまま急流の川に直撃する様子は、ビデオに撮影されていた。

  「すぐに目の前が真っ暗になって、全身をひっぱたかれたように感じました」と、川に直撃した瞬間のことをラングワージーさんは説明した。「深く沈むにつれて水は冷たくなった。きっとその冷たさのおかげで意識が戻ったのでしょう」

 前日に急流下りに挑戦していたラングワージーさんは、急流の中を安全に泳ぐこつを思い出したという。「流れはかなり速くて、徐々にうなりが聞こえてきました。波にもまれているように、下の方に引きずり込まれたり上の方に浮かんだりして、方向感覚が無くなる。どっちが上か下かも分かりませんでした」

 ラングワージーさんはどうにかジンバブエ側に泳ぎ着き、自力で川岸にはいあがった。「とても怖かったのは、何度かロープが岩かがれきに引っかかってしまったことです」とラングワージーさんは振り返った。「川の中に潜って、何かに引っかかったバンジーのロープを引っ張らなくてはいけませんでした」

 この事故で鎖骨を骨折し、広範囲の打撲を負って、治療のため南アフリカに搬送されたラングワージーさん。「私が今生きているのは、間違いなく奇跡だと思います」とインタビューに語った。(c)AFP