【12月15日 AFP】サウジアラビア北部ジャウフ(Jawf)州で12日、魔術を用いたとして有罪になった女性が斬首刑に処された。内務省の発表を国営サウジ通信(SPA)が伝えた。

 サウジ通信によるとこの女性はアミナ・ビントゥ・アブドゥルハリム・ナサル(Amina bint Abdulhalim Nassar)さん。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、今年に入ってサウジアラビアで斬首刑を執行された人は73人に上る。

 サウジアラビアでこれまでに死刑に処された女性の数は不明だが、10月には家に放火して夫を殺した罪に問われた女性の斬首刑が執行された。アムネスティは、死刑を執行された人の多くは弁護士もつけられず、訴訟手続きも説明されていなかったと指摘している。

 アムネスティ・インターナショナルのフィリップ・ルーサー(Philip Luther)中東・北アフリカ副部長は声明を発表し、サウジアラビアでも犯罪にはあたらない「魔術や妖術」を理由に残酷な刑を与えるのは実に恐るべきことだと述べ、このような刑罰の執行を速やかにやめるよう求めた。

 シャリア(イスラム法)を厳格な解釈で適用するサウジアラビアでは、強姦(ごうかん)、殺人、背教行為、武装強盗、麻薬密売の最高刑は死刑となっている。(c)AFP