【12月15日 AFP】ベルギー東部リエージュ(Liege)の広場で13日、男が人混みに手投げ弾を投げて銃を乱射後、自殺した事件で、男には長い犯罪歴があり、刑務所に再び収監されることを恐れていた可能性があることが明らかになった。

 事件では15歳の少年が即死、1歳5か月の幼児と17歳の少年は病院に運ばれた後、死亡した。75歳の女性も死亡したと当初報じられたが、実際には重体であったため、死者は3人に訂正された。

 当局は、犯行後に銃で頭を撃ち抜いて自殺した男をノルディーヌ・アムラニ(Nordine Amrani)容疑者(33)と特定し、同容疑者による単独犯行だったと断定した。犯行動機を記したメッセージなどは残されていないという。

 なお、警察は14日、リエージュにあるアムラニ容疑者が大麻と武器を隠すために使っていた倉庫の中で、40歳くらいの掃除婦の遺体を新たに発見した。

■セクシャル・ハラスメント容疑で出頭命令

 市の検察当局によると、アムラニ容疑者はモロッコ系ベルギー人で、幼少時に孤児になった。武器への関心が強く、長い犯罪歴があった。2007年には自宅に大麻草2800本と武器の部品9000点以上を隠し持っていたとして逮捕され、禁錮3年6月の実刑判決を言い渡されたが、昨年10月に仮釈放された。担当弁護士は、「容疑者は刑務所に再び収監されることを恐れていた」と指摘している。

 14日の同国紙ルソワール(Le Soir)は、容疑者はセクシャル・ハラスメント容疑に関連して警察から出頭命令を受けており、ちょうど犯行の時間帯に取り調べが行われる予定だったと報じている。(c)AFP/Philippe Siuberski

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