【9月21日 AFP】マウスに強いストレスを与えてから24時間以内にマリフアナを投与したところ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が消滅したという研究結果が、米科学誌「Neuropsychopharmacology(神経精神薬理学)」に発表された。

 イスラエルのハイファ大(Haifa University)心理学部の研究チームは、極端なストレスにさらされたマウスは人間のPTSDに似た症状を呈することを実験で確認した後、マウスを4つのグループに分け、1つ目のグループにはマリファナを与えず、残り3つのグループにはマリファナをそれぞれ2時間後、24時間後、48時間後に注射した。

 1週間後に検査したところ、マリフアナを与えられなかったグループとマリフアナを48時間後に注射されたグループではPTSDの症状と高いレベルの不安感が見られた。ほかの2グループのマウスも高いレベルの不安感を示していたが、PTSDの症状は完全になくなっていた。

 実験では、カンナビノイドの効果を脳のへんとう体の受容体が仲立ちしていたことも分かった。へんとう体はストレスや恐怖、トラウマに関係があるとされている。

 研究を率いたイリット・アキラブ(Irit Akirav)博士は、マウスの実験結果が人間にそのまま当てはまるわけではないとしながらも、この研究結果について、人への応用を目指した精神医学的な研究が進められることに自信を示した。(c)AFP