【8月2日 AFP】ノルウェー爆破・銃乱射事件のアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)容疑者が好きな映画のひとつとしてデンマークの映画監督ラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)の作品『ドッグヴィル(Dogville)』を挙げていることに対し、同監督がデンマーク紙ポリティケン(Politiken)のインタビューで、「非常に不快だ」と語った。

 ブレイビク容疑者は、フェイスブック(Facebook)のプロフィールで、好きな映画3作品のひとつとしてトリアー監督の2003年の作品『ドッグヴィル』を挙げていた。

「私にとっては最高の作品である『ドッグヴィル』を、容疑者が台本のように使ったと思うと非常に不快だ。おぞましい」。7月29日に同紙のウェブサイトに掲載されたインタビューで、トリアー監督はこのように心境を明かした。

 ブレイビク容疑者はオスロ近郊のウトヤ(Utoeya)島で行われていた与党・労働党のサマーキャンプで銃を乱射し、69人を射殺。トリアー監督はこの銃乱射に言及し、『ドッグヴィル』のラストシーンは、残念だがウトヤ島の事件に似ていると話した。同作のラストシーンは、ドッグヴィルという村の住人たちが射殺されるというものだ。

「この作品を作ったことを嘆いているかと聞いてるのかい?そうだよ。この作品がきっかけになったと証明されれば、製作したことを遺憾に思うよ」

 このように語ったトリアー監督は、同作の意図は人びとに対する啓発であり、暴力を引き起こすことではないと説明した。(c)AFP