【6月15日 AFP】ベトナム戦争をめぐる米政府の機密報告書「ペンタゴン・ペーパーズ(Pentagon Papers)」が13日、初めて文書が漏えいしてから40年後についに全文公開された。

 リンドン・ジョンソン(Lyndon Johnson)元大統領の政権は1967年、ベトナム研究タスクフォースを立ち上げ、米国のベトナム紛争への関与について、包括的な報告書をまとめるよう指示した。

 その資料の一部は1971年に米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に流出し、米歴代政権がこれまでベトナムについて国民をだましてきたことが明らかになり、当時大統領だったリチャード・ニクソン(Richard Nixon)氏は、漏えい防止の対応に追われた。

 全47巻に及ぶ報告書の大半はすでに公開されており、全文公開で新たな情報が出るかどうかはわからないが、ニクソン図書館・博物館の代表、ティモシー・ナフタリ(Timothy Naftali)氏は、「全巻に一貫性があり、これで完全なものになった。これまでは断片で公開されてきたから」と述べ、全文公開を歓迎した。

 ペンタゴン・ペーパーズの流出を受け、ニクソン政権は、メディアへの新たな流出を食い止めるために「プラマーズ(配管工、Plumbers)」として知られる秘密調査部門を立ち上げた。これが、後のウォーターゲート(Watergate)事件につながり、ニクソン大統領は1974年、辞任に追い込まれることとなった。(c)AFP