【5月13日 AFP】ドイツ南部ミュンヘン(Munich)の裁判所は12日、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの強制収容所で看守を務めていたジョン・デムヤンユク(John Demjanjuk)被告(91)に禁錮5年の判決を下した。ただ、逃亡の恐れや社会への脅威はないとして、即時釈放した。被告は控訴する方針という。

 同裁判所はウクライナ生まれの被告が1943年、ドイツの占領下にあったポーランドのソビブル(Sobibor)に連行されたユダヤ人など少なくとも2万8060人の殺害を手助けしたと断定。元赤軍兵士の被告は第2次大戦中にドイツ当局に捕らえられ、ナチスのもと、43年3月から9月までソビブル強制収容所の看守として働くことに合意したという。

 被告は無罪を主張し、公判中沈黙を貫いた。02年に米国籍を剥奪され無国籍の被告は過去2年にわたり、ミュンヘンの刑務所に勾留されている。(c)AFP/Francis Curta

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