【11月22日 AFP】イスラエル軍事法廷は21日、2008年12月~09年1月のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区への大規模攻撃の際にパレスチナ人の子どもを「人間の盾」として利用したイスラエル軍兵士2人に対し、禁固3月(執行猶予2年)と降格処分を言い渡した。2人は10月3日に有罪判決を受けていた。

 イスラエル軍によると、両被告は09年1月、仕掛け爆弾の疑いのあるカバンを9歳のパレスチナ人の子どもに開けさせたとして、有罪となった。しかし軍事法廷は、当時の2人について、所属する部隊が「困難で危険な戦闘状態にあり」、数日間にわたって睡眠を取っていなかったことを認めた。
 
 量刑言い渡しを受け、スイス・ジュネーブ(Geneva)に拠点を置く子どもの権利保護団体「DCI」のジェラルド・ホートン(Gerard Horton)広報担当はAFPの取材に、「信じられない」と語った。

「イスラエル当局は、9歳の子どもを人間の盾に使った重武装の兵士の処罰として、執行猶予付き禁固3月が適切だと思っているのか?」

 ホートン氏はさらに、軍事法廷について、ガザ大規模攻撃に関する国連報告書で、パレスチナとともにイスラエルも戦争犯罪に問われた事実から国際社会の目をそらす目的で開かれたものだと非難した。

 国連報告書を作成した元国連戦争犯罪検察官リチャード・ゴールドストーン(Richard Goldstone)氏は、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の双方が「確かな」捜査を行わないのであれば、報告書記載の調査結果を国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)に付託するべきだと進言していた。

 イスラエルは、この国連報告書を「偏向している」として拒否している。(c)AFP/Steve Weizman

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