【11月1日 AFP】英国とアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)の空港で、中東イエメンから米シカゴ(Chicago)にあてた爆発物入り小包2個が見つかった事件で、米政府関係者は10月31日、主犯格としてサウジアラビア生まれの国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織のメンバーが浮上していることを明らかにした。

 主犯格とみられるのは、イエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」で爆弾製造を担当するイブラヒム・ハッサン・アシリ(Ibrahim Hassan al-Asiri)容疑者(28)。同容疑者は過去にも、未遂に終わったサウジ高官暗殺やクリスマス・テロ未遂事件などに関与している可能性があり、爆発物に関する経験を持つことから今回の事件の主犯として浮上した。

 一方、イエメン当局は前月31日、爆発物入り小包事件との関連で身柄を拘束していたサヌア大学(Sanaa University)の女子学生、ハナン・サマウィ(Hanan al-Samaw)さん(22)を、今後も事情聴取に応じるとの条件付きで釈放したと発表した。

 捜査当局は前日、小包の伝票に記載されていた携帯電話番号がサマウィさんのものだったことからサマウィさんを逮捕していた。

 このほか、米貨物会社フェデックス(FedEx)とUPSのサヌア支店の全従業員が、捜査当局に事情聴取目的で拘束されているとの情報や、問題の小包をフェデックスとUPSから発送したのは若い女だといった情報もある。

 イエメンの治安当局は、両米貨物会社の全支店を閉鎖したほか、国内各地に検問所を設置して通行車両のチェックを実施。さらに、小包26個の発送を差し止め、中身を検査しているという。(c)AFP/Hammoud Mounassar