英裁判所、サウジ王子に終身刑 男性使用人を性的暴行・殺害
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【10月21日 AFP】サウジアラビア国王の孫にあたる王子が、英国のホテル滞在中に男性使用人に性的暴行を加えて死亡させた事件で、ロンドン(London)にある中央刑事裁判所(Old Bailey)は20日、被告の王子に終身刑を言い渡した。少なくとも20年間は恩赦はない。
この事件は、サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdulaziz)国王の孫のサウド・ビン・アブドルアジズ・ビン・ナシル・アッサウド(Saud Bin Abdulaziz Bin Nasir al Saud)被告(34)が、ロンドンのホテルで今年2月15日、使用人のバンダル・アブドラ・アブドルアジズ(Bandar Abdullah Abdulaziz)さん(32)を殴り、首を絞めて殺害したもの。被告は数週間にわたって被害者に暴行を加えていたという。
デービッド・ビーン(David Bean)裁判官は量刑言い渡しにあたって、「一国の王子が殺人罪で裁かれることは極めて異例だ。この国においては何人であっても、法の上に立つ者はいない。サウジ王室の一員だからという理由で、私が被告の刑を裁量することは誤りとなる」と述べた。
被告は、ホテルで同室に泊まっていた被害者の遺体が室内で発見され逮捕された際、外交特権による訴追免除を求めていた。報道によると、被告は外交旅券は所持していたが、警察に事情聴取された際にはいかなる外交上の地位にもなかったことを、英外務省が確認している。(c)AFP