【10月20日 AFP】フランス政府が少数民族ロマ人を東欧などへ強制送還している問題で、欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は19日、フランス政府から改善にむけた法整備を行うとの回答があったことをうけ、欧州司法裁判所への提訴などの措置は行わないと発表した。

 フランス政府は数か月前から国内のロマ人居住キャンプ数百か所の強制撤去に着手し、ロマ人を出身国のルーマニアやブルガリアに送還している。これについて欧州委は、EU市民の域内の移動の自由を保障したEU法に違反する可能性があるとし、提訴の可能性を示唆。仏政府に15日を期限として回答をもとめていた。

 だが、欧州委のビビアン・レディング(Viviane Reding)副委員長(司法・基本権・市民権担当)は19日、仏政府からEU法に準拠するよう国内法を見直すとの回答があったと発表。欧州委は、この対応を評価し、当面はフランスに対する司法措置などは行わないとの方針を示した。(c)AFP/Christian Spillman

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