【5月31日 AFP】インドネシアの2歳児がたばこを吸う動画が英紙サン(Sun)のウェブサイトに掲載され、世界中の注目を集めている。この動画は保健専門家に衝撃を与えるとともに、インドネシアで広がるたばこ依存症を浮き彫りにした。

 動画には、おもちゃの車にまたがるぽっちゃりした2歳の男児が周りの大人たちに笑いかけながら、たばこを肺まで深く吸い込む様子が映されている。

 男児の父親が初めてたばこを与えたのは男児が1歳半のときだという。現在、1日に吸うたばこの数は40本。母親によると、ニコチンが切れると男児は壁に頭を打ち付けるが、父親は男児が「健康」だと主張する。

 児童保護当局者によると、近く、一家に対する取り調べが行われるという。子どもに喫煙させることは、多くの国で児童虐待と見なされている。

■前月には4歳児の喫煙動画も

 インドネシアでこのような状況が報道されたのは今年になって2度目。前月、インドネシア産のクローブたばこを吸う4歳くらいと見られる男児の動画がインターネットに掲載された。男児は煙で輪を作り、大人たちにうながされて悪態をついていた。

 インドネシアは東南アジアで唯一、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO Framework Convention on Tobacco Control)」に署名していない。たばこに対する規制が手ぬるいため、たばこ会社が若年層を対象にした宣伝・販促活動を行うことを可能にしている。

 反喫煙活動家や保健専門家によると、人口約2億4000万人のインドネシアは、たばこ産業にとってまさにパラダイスで、積極的に販売拡大が続けられているという。(c)AFP/Alvin Darlanika Soedarjo