大西洋の財宝めぐる裁判、米裁判所がスペイン側の所有物との判断下す
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【12月24日 AFP】米海底探査会社オデッセイ・マリン・エクスプロレーション(Odyssey Marine Exploration)が北大西洋で引き上げた19世紀の財宝についてスペイン政府が所有権を主張している問題で、米フロリダ(Florida)州のタンパ(Tampa)地裁は22日、同社に対し財宝をスペイン側に返還するよう命じる判断を下した。スペインのアンヘレス・ゴンサレス・シンデ(Angeles Gonzales-Sinde)文化相が23日、明らかにした。
タンパに本社を置くオデッセイは2007年5月、ジブラルタル海峡(Strait of Gibraltar)沖の大西洋の海底に沈んでいた難破船から、50万枚の銀貨と数百枚の金製品を発見したと発表していた。同社は、この難破船を「ブラック・スワン」のコード名で呼んでいた。
オデッセイは、発見場所は大西洋の公海上だったと主張しているが、保安上の問題があるとして詳しい位置については言及を避けた上、回収後の財宝はただちにフロリダ州に空輸している。
こうしたことから、スペインは、正当な所有権はスペイン側にあるのではないかとの疑念を強め、さらに2008年9月には、発見された難破船が、1804年に英国艦隊に撃沈されたスペイン帆船「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・メルセデス(Nuestra Senora de las Mercedes)」号であることを証明する証拠があると発表していた。
「メルセデス」号撃沈は、スペインが英国に宣戦布告し、両国が再びナポレオン戦争(Napoleonic Wars)に突入するきっかけとなった事件。
オデッセイの所有権の主張に対し、スペイン政府は発見後ただちに、フロリダ州の裁判所に不服を申し立てていた。スペイン政府は、難破船が民間商業船舶ではなくスペイン軍の船舶である場合、もしくは発見場所がスペインの領海内である場合は、すべての回収物はスペイン政府の所有だと主張していた。
22日の判決では、「メルセデス号はスペイン海軍の船舶であり、船舶自体や積荷、遺体は、法的にもスペインの所有物である」との判断が下された。シンデ文化相は、この判決を「スペインの歴史遺産保護にとって非常に重要なものだ」と述べて、歓迎する姿勢を示した。一方のオデッセイ側は、この判決を不服として上訴する意向を表明した。(c)AFP
タンパに本社を置くオデッセイは2007年5月、ジブラルタル海峡(Strait of Gibraltar)沖の大西洋の海底に沈んでいた難破船から、50万枚の銀貨と数百枚の金製品を発見したと発表していた。同社は、この難破船を「ブラック・スワン」のコード名で呼んでいた。
オデッセイは、発見場所は大西洋の公海上だったと主張しているが、保安上の問題があるとして詳しい位置については言及を避けた上、回収後の財宝はただちにフロリダ州に空輸している。
こうしたことから、スペインは、正当な所有権はスペイン側にあるのではないかとの疑念を強め、さらに2008年9月には、発見された難破船が、1804年に英国艦隊に撃沈されたスペイン帆船「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・メルセデス(Nuestra Senora de las Mercedes)」号であることを証明する証拠があると発表していた。
「メルセデス」号撃沈は、スペインが英国に宣戦布告し、両国が再びナポレオン戦争(Napoleonic Wars)に突入するきっかけとなった事件。
オデッセイの所有権の主張に対し、スペイン政府は発見後ただちに、フロリダ州の裁判所に不服を申し立てていた。スペイン政府は、難破船が民間商業船舶ではなくスペイン軍の船舶である場合、もしくは発見場所がスペインの領海内である場合は、すべての回収物はスペイン政府の所有だと主張していた。
22日の判決では、「メルセデス号はスペイン海軍の船舶であり、船舶自体や積荷、遺体は、法的にもスペインの所有物である」との判断が下された。シンデ文化相は、この判決を「スペインの歴史遺産保護にとって非常に重要なものだ」と述べて、歓迎する姿勢を示した。一方のオデッセイ側は、この判決を不服として上訴する意向を表明した。(c)AFP