【12月15日 AFP】香港島の2倍近い大きさで、オーストラリアに向かって漂流していた巨大氷山が分離し、数百個の氷山が広範囲に浮いているのが確認された。専門家が14日、明らかにした。

 140平方キロメートル大の氷山「B17B」は、オーストラリア西部沿岸沖の南南西1700キロ付近を漂流しているのが9日に確認され、船舶などに警戒が発せられていた。

 その後北東に進んだ氷山は115平方キロメートル程度に縮小したが依然、米ニューヨーク(New York)のマンハッタン(Manhattan)島の2倍に匹敵する大きさを保っている。

 オーストラリア南極局(Australian Antarctic Division)の氷河学者、ニール・ヤング(Neal Young)氏によると、現在はこの元の巨大氷河とは別に、長さにして数キロ分のB17Bから分離した小さな氷山が、1000平方キロメートル以上の海上に浮いている。

 ヤング氏は米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)の衛星画像を使って、B17Bの動きを追跡している。

 同氏によるとこの氷山が南極から漂流を開始した際には、広さ400平方キロメートル、高さ40メートルもの大きさだったと思われる。ただし「この最初の大きさを知らなかったとしても、この氷山は十分、モンスター級だといえる」

 氷山は最終的には完全に消失してしまうとみられるが、今後どの程度持ちこたえるかは分からない。「2週間で消えるかもしれないし、数週間もつかもしれない。いずれにせよ現時点で言えることは、徐々に小さくなっているということだ」(c)AFP


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