【10月31日 AFP】ブラジルのアマゾン(Amazon)で30日、前日消息を絶った軍の小型機が見つかり、乗っていた11人のうち少なくとも9人の無事が確認された。機体を発見したのは現場付近に暮らす先住民だった。

 事故を起こしたのはブラジル空軍の単発プロペラ機、セスナ(CessnaC-98キャラバン(Caravan)。29日、乗員4人と先住民の予防接種を行う予定だった保健省職員7人(男性5人、女性2人)を乗せてアマゾナス(Amazonas)州のタバティンガ(Tabatinga)に向かってブラジル北東部アクレ(Acre)州のクルゼイロ・ド・スル(Cruzeiro do Sul)を離陸したが、その58分後に消息を絶った。

 生存者によると、急にエンジンが止まり、パイロットがアマゾン川の支流に不時着させたという。生存できたのはパイロットの勇気のおかげだと生存者たちは話している。

 航空機8機が捜索にあたったが、機体を見つけたのは人口300人ほどの小規模な先住民、マティス(Matis)族だった。ブラジル国立先住民保護財団(FUNAI)によると、ジャングルで狩りをしていたところ聞き慣れない音を聞き、音がした方に行ったところマティス族の集落から徒歩で2時間ほど行った川床に機体があったという。

 マティス族から無線で連絡を受けたFUNAIは、軍に集落の正確な位置を知らせた。

 パイロット1人は機内に取り残されており、死亡したものとみられる。救助を求めるため機体を離れた乗組員1人は現在行方不明で、マティス族らが捜索している。生存者はヘリコプターでクルゼイロ・ド・スルに運ばれ、うち6人は病院に収容された。空軍によると機体は現在、水深5メートルほどの所に沈んでいる。

 事故現場周辺はブラジルでも外部との接触のない先住民族がいる可能性が最も高いとされている地域で、FUNAIは事故の数日前に、11月からそのような先住民族を探す探検を行うと発表したばかりだった。

 前年5月には、現場から南に数百キロの地点で撮影された外部との接触がない先住民の写真をFUNAIが公開し、大きな話題となった。(c)AFP

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