【9月10日 AFP】アフガニスタンで、国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)がアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が強奪した燃料輸送車を空爆し、民間人を含む多数が死傷したことについて、北大西洋条約機構(NATO)は予備調査を実施し、空爆を命じたドイツ軍の大佐が行動規定に違反したと結論づけた。南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)が10日、伝えた。

 NATOは報告書で、ドイツ軍のゲオルグ・クライン(Georg Klein)大佐が越権行為をはたらき、状況判断にも失敗したと結論づけた。

 NATO軍に参加するドイツ軍幹部は、南ドイツ新聞に対し、クライン大佐が意思決定手順を順守しなかったことは「完全に明らかである」と語った。クライン大佐は、NATOが統括するISAF本部の指示を仰ぐ必要があったという。

 クライン大佐は4日、タリバンの強奪した燃料輸送車がNATO軍に対する自動車爆弾として使用されることを懸念し、米軍戦闘機に対し、トラック2台を空爆するよう命じたとしている。

 しかし、報告書は、2台のトラックは砂地から抜け出せない状態で、さらに厳重な監視下にあったとして、ISAF部隊は切迫した危機にはなかったと結論づけた。

 また、ISAFは、燃料を入手しようとトラックの周囲に集まっていた民間人らが空爆で死亡、または負傷したことを認めた。死者数や負傷者数は明らかになっていないが、アフガニスタンの地元当局高官は、少なくとも54人が空爆に巻き込まれたと述べている。(c)AFP