【9月6日 AFP】米カリフォルニア(California)州で当時11歳だった女性を誘拐し、18年間監禁していたフィリップ・ガリドー(Phillip Garrido)被告(58)の母親が、被告から監禁していた女性はガリドー被告の娘だと聞いていたことを明かした。

 被告の母親パトリシア・ガリドー(Patricia Garrido)さん(88)は、英サンデー・ミラー(Sunday Mirror)紙の取材に対し、ガリドー被告から被害者のジェイシー・リー・ドゥガード(Jaycee Lee Dugard)さん(29)を、前の恋人との間にできた娘「アリッサ」だと紹介され、前月被告の自宅が家宅捜査されるまで、ドゥガードさんが監禁されていたとはまったく思っていなかったと答えた。

 パトリシア・ガリドーさんは「彼女の意思にそむいて監禁されているなんて思いもよらなかった。わたしがベッドに寝ていると、にこにこしながら来てくれる子だった。いつも幸せそうにみえたし、息子の言うとおり、わたしの孫だと思っていた。彼女に何が起きたのか分からないけれど、わたしはあの子を愛している。彼女が無事であってほしい」と述べた。

 またガリドー被告は、ドゥガードさんが出産した自分との娘2人についても母親に、以前関係のあった女性との間にできた子どもだと説明していた。

 ドゥガードさんは11歳の時に、自宅前で車に乗った2人組に誘拐され、行方がわからなくなり、今年8月まで18年間、ガリドー被告自宅の裏庭に設置された建物やテントなどに監禁されていた。ガリドー被告には少女暴行の前科があった。

 ガリドー被告と妻のナンシー・ガリドー(Nancy Garrido)被告は、強姦や誘拐、不法監禁など、罪を問われている計29の重罪について無罪を主張している。

 パトリシアさんは、ガリドー被告にもドゥガードさんにも何も変わったところは見られなかったと述べた。ドゥガードさんは母屋ではなく農場部分で暮らしていたが、「騒音が多いのにも慣れた様子で、多くの時間を屋外で過ごしていた」という。

 妻のナンシー・ガリドー被告については、姑であるパトリシアさんの入浴や食事の世話をよくしていたと擁護し「ナンシーは素晴らしい心の持ち主で、みんな幸せそうだった。アリッサはとても幸せそうだった。今でもアリッサと呼んでしまうのは、彼女の本当の名前がジェイシーだなんて息子に聞いたことがなかったから」と、問題があるとは思えなかった点を繰り返した。

 また、ドゥガードさんが2人の娘を出産するのをパトリシアさんが介助したという一部の報道については否定し、今は現実と向き合うのに苦しんでいると語った。「どの子もみんないい子たちだった。みんなわたしの家族だとばかり思っていた。息子がどうしてこんなことをしたのか分からない。息子のどこが間違ってしまったのか分からないが、息子のしたことはわたしたち家族にとってとても悲しいこと」(c)AFP