【9月4日 AFP】大腿部の周囲長が60センチよりも小さい男女は、心臓病のリスクが高く、寿命も短くなる傾向があるとした研究結果が、4日付の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に掲載された。
 
 デンマーク・コペンハーゲン大学病院(Copenhagen University Hospital)のベーリット・ハイトマン(Berit Heitmann)氏とペーダー・フレデリクセン(Peder Frederiksen)氏は、1980年代後半に身体測定を行ったデンマーク男性1436人、同女性1380人のデータ検査を行った。

 その結果、その後の12年間で400人が死亡、540人が心疾患を発症していた。死亡率は2対1の割合で、男性の方が高かった。また、肥満や喫煙、高コレステロールといった他のリスク要因を考慮に入れた上で、心疾患を発症することなく生存している被験者は、大腿部がかなり太いことが分かったという。

 大腿部が最も細い被験者は、大腿周囲長が60センチの被験者と比較して、早死にする確率は3倍で、心疾患を発症する割合も2倍だったという。

 研究チームは、さらに研究が必要としながらも、大腿部が細いと心筋量も少ないのではないかとみている。

 研究結果は、大腿部の周囲長に閾値(いきち)効果が見られることは明らかで、この周囲長が60センチよりも小さい場合には、早死にのリスクが高まると結論付けた。

 これまでに心疾患と肥満や低体重との関係は証明されているが、大腿部の太さと冠動脈の健康状態を関連づけた研究は、デンマーク大が初めて。

 ハイトマン、フレデリクセン両氏は、この驚くべき研究結果が、心臓病のリスク因子を研究する医師らへの新たな指標となると期待しており、大腿部の周囲長が肥満度指数(BMI)や腹囲とならぶ新たな指標になるかもしれないとしている。

 しかし、大腿が太ければ太いほど良いというわけでもないようだ。閾値を超えてしまうと、リスク軽減の傾向は見られなくなるという。(c)AFP