【9月4日 AFP】イスラエルで、パレスチナ人の女性自爆犯の顔写真を名画の聖母マリアに見立てた絵などを集めた展覧会が3日、自爆攻撃の被害者遺族らの抗議で、開幕直前に中止された。

 この展覧会はテルアビブ(Tel Aviv)で同日から開催の予定だったが、オープニングの数時間前に展示されていた絵が壁から取り外された。主催者およびアーティストのコメントは得られていない。

 問題の絵は、イスラエル人アーティスト2人による「フェラー(Ferror、女性のテロの意)」と題されたもので、ルネサンス期のイタリア人画家ラファエロ(Raphael)の聖母子像など名画の聖母マリアの顔に、伝統的なイスラム教のヘッドスカーフをまとったパレスチナの自爆犯女性7人の顔写真をコラージュしている。

 展覧会については、イスラエルの最有力日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)が、「Holy Terrorists(聖なるテロリストたち)」との見出しで報じたことから批判が起き、開催中止を求める声が高まっていた。

 絵を作成した女性アーティストらは、パレスチナの女性たちがどのように自爆犯になるに至ったのか、過激思想にゆがんだ世界で母性すらも破壊衝動には勝てないほどの憎悪が生まれることに、疑問を投げかけたかったと主張している。(c)AFP