【9月4日 AFP】モスクワ(Moscow)の冬の風物詩、クレムリン(Kremlin)のタマネギ型ドームがうっすらと雪化粧した美しい光景が、今後は見られなくなる可能性が出ている。日刊紙イズベスチア(Izvestia)や政府系のロシア新聞(Rossiyskaya Gazeta)は3日、モスクワ市で降雪を排除する計画が浮上していると伝えた。

 両紙によると、ユーリー・ルシコフ(Yuri Luzhkov)市長は今週、「モスクワ市境界の外側まで雪を排除してはどうか」と語った。ルシコフ市長は、モスクワの天候を細かく管理してきた実績を持つ。

 モスクワでは重要な休日が晴れるようにすでに人工降雨技術が採用されていることを取り上げ、ルシコフ市長は「郊外にとっては、降雨量が増え、収穫増につながるという意味を持つ」と語った。

 冬のモスクワにとって降雪は日常的な光景だが、ルシコフ市長の計画では、降雪をもたらす雲がモスクワに接近するたびに、空を人工的に晴れさせることになる。

 モスクワの降雪を防止することは市民にとっても恩恵をもたらすという。たとえば、市内の路上の除雪作業には、降雪そのものを止めるのにかかる費用の3倍の費用がかかっており、大幅な経費削減になるという。

 一方、モスクワ上空の雲を除去すると市の周辺で大雨になることが多く、専門家らは、予測不可能な結果を招きかねないと指摘している。(c)AFP