【3月30日 AFP】オートバイの暴走族同士の抗争が続くオーストラリアで30日、シドニー(Sydney)の空港で弟を撲殺された暴走族のメンバー(32)が、何者かに銃撃されて負傷し、病院で保護を受けている。警察とメディアが伝えた。

 警察によると、この暴走族のメンバーは、暴走族の象徴的存在とされる「ヘルズ・エンジェルス(Hells Angels)」のオーストラリア支部に所属するPeter Zervasさん。29日深夜にシドニー市内の自宅前で複数回発砲され負傷し、現在は病院で治療を受けており、容体は安定しているという。

 報道によると、被害者の弟Anthony Zervasさんは22日、暴走族同士の緊張が高まるなか、シドニーの空港で起きた乱闘事件で撲殺された。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州警察の暴走族対策班を指揮するMal Lanyon警視は、発砲したのが暴走族のメンバーであることはほぼ間違いないと述べ、オーストラリア放送協会(ABC)ラジオに対し、「現実的に考えて、ほかのグループの暴走族を取り調べすることになるだろう」と語った。

 Lanyon警視は、暴走族が武器を集め、海外支部に増援を要請しているとの報道を受けて、懸念を表明した。(c)AFP