【3月12日 AFP】ホワイトハウス(White House)の芝生の一部を菜園にしようという動きが出ている。インターネットで行われている署名運動には、すでに8万5000人近くが署名した。

 発案者のRoger Doiron氏によればこのアイデアは、「ホワイトハウスの芝生でオバマ大統領一家が有機野菜を育て、収穫した野菜をホワイトハウスで食べ、余った野菜は必要としている人へ分配する」というもの。同氏は、オバマ一家の「ホワイトハウス菜園」がきっかけとなって世界中に同様の動きが広まると期待を寄せる。

 このアイデアに、各地から賛同が集まっている。

 ニューヨーク(New York)州キングストン(Kingston)の町役場では、触発されて役場前に菜園を作った。ミシガン(Michigan)州フリント(Flint)では、市が管理する施設の真ん中に約1万2000平方メートルの菜園を作ることを市当局が許可した。

 遠く離れたアフリカ・ケニアの農家らも、署名と金銭的支援を申し出ている。これらの動きは、「ホワイトハウス菜園」の実現に何らかの影響を及ぼすかもしれない。

「ミシェル・オバマ(Michelle Obama)夫人の事務所と連絡を取っている。まだ何も実現してはいないが、彼らは良い質問をしてくるし、このアイデアを人々が支持していることは認識している。検討しているようだ」(Doiron氏)

 Doiron氏によれば、「ホワイトハウス菜園」には前例がある。1943年、当時のフランクリン・ルーズベルト(Franklin D. Roosevelt)大統領のファーストレディ、エレノア(Eleanor Roosevelt)夫人が、「ビクトリー・ガーデン(Victory Garden、勝利の庭)」と銘打った菜園をホワイトハウスに作っているのだ。

 有機菜園を提唱するDoiron氏自身も、メーン(Maine)州の自宅で2000ドル(約19万円)相当の野菜を育てているという。(c)AFP