【3月11日 AFP】インターネットや携帯電話のメールなどを介して多数の群衆が公共の場に突然集まる「フラッシュモブス(flash mobs)」と呼ばれる行為に対して、米カリフォルニア(California )州のサンフランシスコ(San Francisco)市当局が、マナーを守ってほしいとの声明を発表した。

 また、サンフランシスコ市は、匿名の計画立案者らに対し、次回の「ピローファイト(枕たたき)大会」や「クリームパイ投げあい大会」などの散らかし放題のイベントを実施する前に告知してほしいと呼びかけた。

 たいていのことは許可することで知られるサンフランシスコ市当局も、この不特定多数による悪ふざけにはうんざりしているようだ。

 市当局の我慢が限界に達したのは前月。バレンタイン・デーに約1500-3000人が市中心部の広場とその周辺でピローファイトを行い、枕から飛び出した羽毛があたり一帯にひろがった。

 バレンタイン・デーのピローファイト大会は今年で4年目。当初はフラッシュモブス的に始まったが、いまや毎年恒例の行事となっている。このイベントも、ネットや携帯電話のメールを介して計画がひろがる。

■フラッシュモブスとは

 フラッシュモブス現象は、2003年ごろに始まった。突然の通知を介して集まった不特定多数の群衆が、公共の場所で風変わりな行為を一斉に行い、そして何事も無かったかのようにどこかへ消えてしまうというもの。

 フラッシュモブスをネット時代のパフォーミング・アートだと称賛する人もいるが、周辺をゴミだらけにする悪ふざけだと非難する人もいる。

 フラッシュモブスのピローファイト大会は多くの都市でみられる。2008年には「世界ピローファイト大会の日(World Pillow Fight Day)」が世界各地で行われた。

 前週も、名物のケーブルカーの折り返し地点で、観光客らが乗車しようと列に並んでいたところ、シェービングクリームの「パイ投げ大会」が始まった。

■マナー守らないなら禁止も

 サンフランシスコのピローファイト大会のメッセージには、知人全員にメールを送ることと、かばんの中に隠して枕を持ってくることのほかに、「責任あるおふざけを行って清掃に協力しよう」と書かれていた。

 ピローファイト大会に対しては、枕から飛び出した羽毛が付近のレストランや事務所建物、噴水などの排水管を詰まらせていると非難が集まっている。

 噴水を清掃した市当局の後片付けスタッフがトラック3台分の羽毛を運びだしたと伝えられている。また、ピローファイト大会後の後片付けは6時間ほどかかり、総額3万ドル(約300万円)の費用がかかったという。

 サンフランシスコ市当局高官は、許可をとって安全を守り、清掃するというルールに従わないのなら、こういったイベントを禁止すると警告している。(c)AFP