【2月27日 AFP】共和制移行に伴い王制が廃止されたネパールで、首都カトマンズ(Kathmandu)の旧王宮が博物館に生まれ変わり、27日に開館した。一般市民が、過去の王族らの豪華な暮らしや流血の歴史をひと目見ようと、「ナラヤンヒティ王宮博物館(Narayanhiti Museum)」を訪れている。

 ネパールのシャー(グルカ)王朝は240年間続いたが、主要政党によるギャネンドラ・ビル・ビクラム・シャー・デブ(Gyanendra Bir Bikram Shah Dev)国王(当時)の直接統治に対する抗議活動にネパール共産党毛沢東主義派(毛派)も同調し、両者の和平交渉合意が成立。前年5月、立憲君主制の廃止が制憲議会で決定された。

「ナラヤンヒティ王宮博物館」の目玉は、金銀製の玉座、晩さん会場、元国王の寝室などで、改装が進めば、より多くの部屋が公開される。

 また、ダイヤモンドやエメラルドなどの宝石がちりばめられた王冠や王笏、ナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)からギャネンドラ元国王の祖父に贈られたという独メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)の高級車なども、今後、公開される予定だ。

 王宮を退去したギャネンドラ元国王は現在、カトマンズ郊外に暮らしている。(c)AFP/Deepesh Shrestha