【2月13日 AFP】米議会の独立監査機関、米政府監査院(Government Accountability OfficeGAO)は12日、米国がアフガニスタンに提供した突撃ライフルやグレネード・ランチャーなどの武器のうち約8万7000点の行方が分からなくなっていると発表した。ずさんな管理体制が原因で、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)や国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の手にわたった恐れもあると警告している。

 GAOによれば米国防総省は、2004年12月から08年6月までに米政府がアフガニスタンの治安部隊に提供した武器24万2000点のうち、約3分の1にあたる8万7000点の武器の所在を把握していないという。

 また、北大西洋条約機構(NATO)軍が、給与の支払いがきちんとしておらず汚職の温床となっているアフガニスタンの軍や警察に提供した13万5000点の武器については、監視が全く行われていなかった。

 国防総省のブライアン・ホイットマン(Bryan Whitman)報道官は、GAOの報告書の提案に従い、米国とNATOが提供した武器の製造番号と在庫を追跡管理する方針で作業を開始したと述べた。

■ずさんな武器管理

 GAOによると、米軍は人員不足のため、提供した武器の製造番号による管理や、保管状況の実地調査を怠っていたという。アフガニスタン側の問題としては、汚職や識字率の低さが武器管理の主な障害になっていた。

 武器庫の警備状況もお粗末で、GAOの監査員が実施調査したアフガニスタン北部の警察署の武器庫には、木製の扉と小さな南京錠が設置されていただけだった。

 また、首都カブール(Kabul)にあるアフガニスタン軍の中央武器庫を調査したGAOの監査員は「任務中に居眠りをする警備員や、配置場所から姿を消す警備員ら」を発見した。その後米軍が監査したところ、武器庫から拳銃47丁が盗まれていたことが判明したという。(c)AFP/Jitendra Joshi