【8月12日 AFP】中国国家統計局(National Bureau of Statistics)が12日に発表した7月の物価上昇率は3か月連続で下落し、エコノミストらは政府にとって景気てこ入れ策の余地が増したとみている。

 中国の消費者物価指数の上昇率は、5月の7.7%、6月の7.1%に続き、7月は6.3%と減速している。

 米証券大手モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)香港のエコノミスト、Qing Wang氏は「インフレだけでなく経済活動全般が緩やかになっている。金融緩和に向けて、マクロ経済的により適切な環境が整ってきた」と述べた。

 Qing Wang氏はAFPの取材に対し、政府は経済刺激策として、特にエネルギー価格を中心に信用抑制および価格統制を緩和する可能性があると述べた。

 2008年春前後はインフレ率が過去12年間の最高値付近にとどまり続けたため、中国の一般消費者の購買力減退が懸念されていた。以降、初めての大きな変化となる。

 専門家らは、インフレは依然問題であるものの、経済が減速している点を考慮すれば、消費に関する政府の最優先策はインフレ抑制ではなくなったと述べる。

 中国の国内総生産(GDP)は世界4位で、08年上半期のGDP成長率は、07年成長率の11.9%から下がり10.4%となった。(c)AFP