【6月21日 AFP】米国最古の街の1つ、マサチューセッツ(Massachusetts)州グロスター(Gloucester)は、大西洋沿岸の小さな街で、魚の漁獲量や岩場の美しいグッドハーバー・ビーチ(Goodharbor Beach)などで知られている。

 しかし今週、この街は、全く別の理由で注目を浴びた。同じ学校に通う多数の女子高生が一斉に妊娠したことが明らかとなったからだ。報道によると、彼女らの多くが妊娠の「協定」を結んでいたという。

■18人が妊娠、半数が「協定」を告白

 グロスター高校(Gloucester High School)の教頭がFox Newsとのインタビューで明らかにしたところによると、学校関係者は、女子高生グループが頻繁に保健室を訪れて妊娠検査をしていたことから異変に気づいた。また、「彼女らは妊娠したとき、その結果に満足しているようだった」という。

 メディアが20日に報じたところによると、この高校では現在18人の女子生徒が妊娠しているという。教頭は「もちろん、例年より多い数だ」と語る。

 タイム(Time)誌は19日、この事態を最初に国内外に報じた。同校のジョセフ・サリバン(Joseph Sullivan)校長によると妊娠している女子生徒は全員が16歳以下で、うち半分が妊娠し協力して子育てする「協定」を結んでいたことを告白したという。

 これに対し同校の理事の1人は20日、AFPに対し、「『協定』とは誇張しすぎ」だと述べた。関係者らはタイム誌の記事を読むまで協定について聞いたこともなく、グロスター市の市長も学校長も記事は事実を歪曲(わいきょく)していると主張した。

■原因は「施設が行き届きすぎ」だから?

 同校の教頭は、妊娠した女子生徒について、動機を「心の空白を埋めるため」と憶測しているが、一方でタイム誌は同校の施設が行き届きすぎていたことが原因だとみている。同校には若い母親が通学できるよう、育児・医療施設が併設されている。

 教頭はこの見解を直ちに否定。「若い女性が施設の有無を基準に出産を決めるとは思わない」と反論した。

■親の管理不足を指摘する声も

 一方、地元のマクドナルド(McDonald's)の従業員は匿名で、この問題は静かな漁村を根底から揺るがしたと語る。

「恥ずべきことだ。親の教育が行き届いていない。うちの店は午後11時に閉まるが、あの子たちは深夜の2時、3時まで駐車場にいた。学校側を非難することは出来ない。いったい親はどこにいるんだ?」(c)AFP