【5月2日 AFP】オーストリア東部で実の娘を24年間監禁したうえ性的暴行を加えて子ども7人を産ませていたヨーゼフ・フリッツル(Josef Fritzl)容疑者(73)に性犯罪歴があったことが明らかになった。地元紙「オーバーエスタライヒ・ナッハリヒテン(Oberoesterreichische Nachrichten)」が2日、報じた。

 これによると、オーストリア北部オーバーエスタライヒ(Oberoesterreichische)州に残されていた警察の記録から、フリッツル容疑者が同州リンツ(Linz)で1967年9月および10月に、それぞれ21歳の女性に対する暴行未遂と24歳の女性に対する婦女暴行事件を起こしていたことが分かったという。

 これらの記録は監禁事件を捜査しているニーダーエスタライヒ(Niederosterreich)州ザンクトペルテン(St. Poelten)の検察当局に数日中に届けられるという。

 オーストリアの法律では犯歴の公開は50年間禁じられており、また犯罪の程度により異なるが、終身刑でない限り、5年から15年で犯歴を削除することができると定められている。ザンクトペルテン検察の報道官は記録が届き次第、慎重に調査すると述べたが、これらの事件はフリッツル容疑者の犯歴からは削除されているため、詳細が明らかにされることはないだろうと付け加えた。

 オーストリアのメディアは、フリッツル容疑者に性犯罪の前科があったことを大きく報じている。

 捜査当局はフリッツル容疑者が24年前に娘の失踪を警察に届け出た際、通常の手続きとして犯歴調査を行ったが前科の記録はなかったとしている。また、フリッツル容疑者が娘に産ませた子どものうち3人を養子にしたときも同様だったという。

 オーストリアでは、性犯罪に対する現在の処罰が軽すぎるのではないかとして激しい議論が巻き起こっている。(c)AFP