【2月29日 AFP】(一部更新、写真追加)英国防省は28日、英王室のヘンリー王子(Prince Henry、23)がアフガニスタンの前線で同国旧支配勢力タリバン(Taliban)の掃討作戦に参加していることを明らかにした。ヘンリー王子は、チャールズ皇太子(Prince Charles)と故ダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)の二男。
 
 英陸軍近衛騎兵(Household Cavalry)連隊に所属するヘンリー王子は、アフガニスタン南部ヘルマンド(Helmand)州で10週間前から任務に就いているという。同州には、駐アフガニスタン英軍の拠点が集中しており、タリバン側との激しい戦闘が続いている。

 英王室関係者が戦場での任務に就くのは、ヘンリー王子のおじにあたるアンドルー王子(Prince Andrew)以来、26年ぶり。アンドルー王子は1982年、アルゼンチンとのフォークランド紛争(Falklands War)時に英海軍のヘリコプターパイロットとして従軍した。

 英国防省は、タリバン側に詳細が伝わりヘンリー王子や同僚兵士に危険が及ぶ恐れがあるとして、英メディアと報道協定を結び、同王子のアフガニスタン派遣の事実を伏せていた。

 報道協定が結ばれたのは、前年予定されていたヘンリー王子のイラク派遣が、過熱する報道によって危険にさらされるとの懸念から延期せざるを得なかったことがきっかけだったという。

 この報道協定を破り第一報を報じたとされるのは、米国のゴシップサイト「ドラッジ・リポート(Drudge Report)」だった。ドラッジ・リポート側は、報道協定を破ったのは、オーストラリアの雑誌New Ideaとドイツの大衆紙ビルト(Bild)が先だと主張している。

 報道協定の一環として、記者団がヘルマンド州でヘンリー王子に対する合同取材を行ったが、記事の発表は王子が無事帰国した後に発表するという条件がつけられていた。

 ヘンリー王子は帰国後に発表される予定だったインタビューの中で、英国の国内通信社プレス・アソシエーション(Press Association)に対し、祖母のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)から派遣の知らせを聞いたことを明らかにし、派遣されるとわかって安心したと当時の心境を語った。(c)AFP/Phil Hazlewood