【1月10日 AFP】ペルシャ湾(Persian Gulf)のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)でイランの革命防衛隊(Revolutionary Guards)の高速艇が米軍艦艇を威嚇したとされる問題で、イラン政府は9日、米国防総省が8日に公開した威嚇行為の証拠ビデオと音声について、「すべてでっち上げ」だとして米政府を非難した。イランのファルス(Fars)通信が、革命防衛隊高官の話として報じた。

 公開されたビデオには、5隻の小型高速艇が猛スピードで米艦艇3隻に接近し周囲を取り巻いて高速航行する様子が映っており、米艦艇の乗組員が艦艇から離れるよう警告すると、「逃げても無駄だ。数分後には爆破する」と英語で脅す男の声も録音されていた。

 一方、米ホワイトハウス(White House)のスティーブン・ハドリー(Stephen Hadley)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、今回のイランの行動を「挑発的行為」だとして2度とくり返さないよう強く警告した。

 戦略的に重要な海域で起こった今回の事件によって中東地域での緊張が高まる中、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は9日から、1998年の就任以来初めてとなる中東歴訪を行っている。(c)AFP