【11月2日 AFP】(写真追加)2005年7月21日に発生した2回目のロンドン(London)同時テロの翌日に、捜査員がブラジル人男性のジェアンシャルレス・ジメネゼス(Jean Charles de Menezes)さん(当時27歳)を地下鉄の駅構内で誤って射殺し、ロンドン警視庁(Metropolitan Police)が衛生安全法違反罪に問われた事件で1日、ロンドンの中央刑事裁判所はロンドン警視庁に対し、有罪判決を下した。

 ロンドン警視庁のイアン・ブレア(Ian Blair)警視総監はこれまで「捜査員は特殊な状況で最善を尽くした」と弁明して辞任しない意向を示していたが、今回の判決で辞任要求が高まっている。

 2005年7月22日、ロンドン警視庁の捜査員は、ジメネゼスさんを前日に発生したテロ未遂事件の首謀者フセイン・オスマン(Hussain Osman)容疑者と誤認し、頭部に銃弾7発を撃ち込んだ。ロンドンではこの2週間前に52人の命が奪われた同時テロが発生したばかりで、交通網を標的としたテロ攻撃に警戒が強まっていた。

 ジメネゼスさんは射殺される前にバスに2回、地下鉄に1回乗車しており、検察側はジメネゼスさんや市民が危険にさらされたと主張している。

 ロンドンの中央刑事裁判所のRichard Henriques裁判官は、陪審団による有罪評決を受けて、ロンドン警視庁に対し罰金17万5000ポンド(約4170万円)と、訴訟費用38万5000ポンド(約9170万円)の支払いを命じた。

 誤射事件直後、ブレア警視総監は、野党保守党(Conservative Party)と自由民主党(Liberal Democrats)から出された辞任要求を拒否していた。(c)AFP/Katherine Haddon