【10月14日 AFP】バチカン当局は13日、テレビ番組で自分は同性愛者だと告白した上級聖職者に対し、停職処分を下した。バチカンの広報局長フェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)神父の言葉としてイタリアのANSA通信が伝えた。テレビ番組に出演した際、身元が判明しないように映像や音声は処理されていたという。

 ロンバルディ神父はANSA通信に対し、「この聖職者が罪を犯していたとしても、慎重にまた敬意を持って対処している」とし、また「当局者は宗教的、そしてバチカンの一員としてそぐわない行動については、必要な場合には厳しく対処する義務がある」と述べた。

 ローマのレプブリカ(La Repubblica)紙は、当該の聖職者を聖職者省(Congregation for the Clergy)に務める60代の職員と特定。ただし名前は明らかにしなかった。同省は世界中のカトリック司教約40万人を管理している。

 問題となっているテレビ番組は今月1日、国営テレビLa7で放映され、同性愛者の聖職者4人が出演した。映像では顔は写されず、また声もボイスチェンジャーで変えられていた。

 ただし、レプブリカ紙によると、停職処分となった聖職者はバチカンの事務所でテレビのインタビューに答えるというミスを犯したため、ほかの職員に気付かれてしまったという。

 インタビューの中で、その聖職者は、自身を罪人だとは考えていないが、悟られぬよう慎重に行動しなければならないと語っていた。(c)AFP