【9月27日 AFP】米上院は26日、宗派間対立が深まるイラクを民族と宗教によって分割する拘束力のない決議案を賛成75、反対23で可決した。支持者らは、イラクの安定化に向けた政治的解決の唯一の方法であり、結果的に米軍のイラク撤退を可能にするものだと主張している。

 決議案では、イラクの分裂を避けるため連邦制を採用。国土をクルド人、シーア派、スンニ派の3地域に分割し、バグダッド(Baghdad)に連邦政府を置いて各地域の境界の保安と石油分割の任務を担う。また、宗派間抗争の緩和のため、スンニ派に石油収入の一部を譲渡するほか、再建費用の増加や債務免除などを行うとしている。

 この決議案は、防衛政策法の修正案としてジョー・バイデン(Joe Biden)上院議員を中心に民主党議員らが提案した。米議会の二極化が際立つイラク戦争をめぐる議論としては珍しく、超党派の支持を受けた。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の対イラク戦略の変更を強要するものではないが、議会で支持を得たことで、政権運営に影響を与えるとみられる。(c)AFP