【9月7日 AFP】7日付の新京報(Beijing News)紙によると、中国で大がかりな乳児売買グループが警察当局により摘発された。これまでに少なくとも40人の乳児売買を行ったとして、57人の容疑者が逮捕されている。乳児40人はいずれも無事に保護された。

 現時点で、南西部雲南省(Yunnan)で47人、東部山東省(Shandong)で10人の容疑者がそれぞれ逮捕されている。

 摘発された売買組織は、雲南省の箇旧(Gejiu)で生後わずか1か月足らずの乳児ばかりを誘拐し、山東省のTancheng周辺で売っていたとみられる。保護された40人の乳児らは、いずれも2005年以降に誘拐され、売買されたもよう。

 5月に警察当局が、雲南省から山東省に向かう列車内で4人の乳児を連れた若い女4人の行動を不審に思い、捜査を進めていたという。

 乳児たちの性別は明らかにされていないが、中国国内では女児の人身売買が圧倒的に多い。「一人っ子政策」のため、男児の跡取りが欲しい両親が、女児が生まれるとこうした売買組織に売ってしまうためだ。

「一人っ子政策」は、13億人の人口を抱える中国がその増加を抑制するために導入している政策。都市部では子どもは1人までに制限されるが、地方では第1子が女児の場合、もう1人子どもをもうけることができる。

 国内では2004年にも、南部広西チワン族自治区(Guangxi province)で117人の女児を売買したとして、54人が逮捕される事件があった。

 この事件では、北部の都市に向かうバスの車内で生後3か月足らずの女児がひもで縛られ、かばんに詰められて運ばれるところを警察が発見し、売買組織の摘発につながった。少なくとも3人が死刑になったほか、100人以上が女児らを買った容疑で逮捕されている。(c)AFP