【ロンドン 11日 AFP】英国人スタイリスト、イザベラ・ブロウ(Isabella Blow)さんが今週7日に死亡した一件で、直接的な死因が薬品の過剰摂取によるものであることが10日、明らかになった。多くの地元メディアは当初、イザベラさんは生前がんと鬱病に苦しんでおり、死因については「がん」と報道されていた。

■実際の死因は過度の薬物摂取によるもの

 法的手続きのため死因を調査した英国南西部グロスターシャー(Gloucestershire)州の検視官は「死因は薬品の過剰摂取」と発表した。グロスターシャー近くの町ストラウド(Stroud)に住んでいたイザベラさんは、グロスターシャー王立病院(Gloucestershire Royal Hospital)で亡くなった。
 
■「過激さ」を巧みに操るファッション界の名士

 生前、イザベラさんはアイルランド出身の帽子デザイナー、フィリップ・トレーシー(Philip Treacy)、デザイナーのアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)など多くの有能なデザイナーを発掘しており、ファッション誌「タトラー(Tatler)」のファッション・ディレクターも務めていた。
  
 イザベラさんの死を受けて、「タトラー」誌のエディター、ジョーディー・グレイグ(Geordie Greig)は「過激さを巧みなセンスで取り入れ、常に私たちを驚かせてくれました」と述べ、「イザベラの生き方、考え方、苦しみ、そして人生に対する情熱。そのすべてを分かち合えたとき、私たちの友情はより一層深くなった。イザベラほど素晴らしい人は、そういないでしょう」と語った。

 写真は、フィリップ・トレイシーの01/02年秋冬オートクチュールコレクション。(2001年7月10日パリにて)(c)AFP PHOTO/PIERRE VERDY